子育てで1番大切なものは「自己肯定感」
「あなたは自分のことが好きですか?」そう問われて、皆さんはどう返答されるでしょうか。
これは自己肯定感の高さを問う質問です。
自己肯定感とは、「『ありのままの自分はこれでよい。』と自己受容をする感覚」のことを言います。
この自己肯定感こそが、学力や社会性といった全ての要素の土台だと言われています。
「日本人は相対的に見て自己肯定感が低い。」
これが、国立青少年教育振興機構の調査を経て導き出された結論です。
「人並みの能力がある」「勉強が得意なほうだ」というポジティブな回答は、平均して3~4割という結果。
対して、「ダメな人間だと思うことがある」「周りの人の意見に影響されるほうだ」というネガティブな回答は、いずれも6~7割に達しています。
アメリカや中国とは真逆の割合となるのです。
では、これだけ世間で騒がれている自己肯定感は、なぜ大切なのでしょうか。
自己肯定感をもっていると、「恐れや不安、自己否定からではない、安心感をベースとした真の意欲と前に進む力」を得ることができます。
そして、「より良い人間関係」を生涯において築くことができるのです。
そもそも「自己を肯定している」ということは、「自己を信頼している」ということです。
自分のことを信頼しているからこそ、他者を信頼できる。
そして信頼を寄せてくれる人間には信頼が返ってくる。
だからこそ、お互いに信頼し合う人間関係を築くことが当たり前となっていきます。
また、「今の自分に満足している」という満ち足りた状態であるからこそ、周囲の人々に分け与えようとするのです。
人に与えようとする人の元には、感謝や愛情が集まります。
それが一生続くとなると、自己肯定感の高低で、幸福度の差が大きく開くことも頷けると思います。
さらに、自己肯定感が高いと、「生きる力」そのものが揺るぎないものとなります。
人生の土台となる自己肯定感がしっかり築かれていると、「自己効力感」をもつことができます。
これは「自分は人の役に立つことができる存在だ」「自分ならやり遂げることができる」といった感覚です。
そのような意欲に満ち溢れている状態ならば、学力も社会性もグングン吸収していくことができるのは、想像に難くないと思います。
やがて、その「自己効力感」が変化していくのが「レジリエンス」です。
つまり、何らかの課題や困難に直面した時も、自己信頼が高い状態で乗り越えることができるのです。
「自己肯定感を育てることこそが、子育ての最優先課題である」と納得いただけると思います。
子どもの自己肯定感を上げるのは?
では、自己肯定感はいつまでに育まれるのでしょうか。
それは、3~4歳と言われています。
生まれてからその年齢になるまでの親の子どもに対する言葉がけ、働きがけ、育て方によって決定していくのです。
もちろん、その後も自己肯定感を育むことは可能です。
重要なのは、年齢が低ければ低いほど、外部からの働きがけで自己肯定感は向上できるということなのです。
子どもの行動の奥には、言葉にはできずとも様々な思いがあります。
「分かってほしい」「認めてほしい」「気付いてほしい」「愛されたい」「信じてほしい」といった気持ちです。
親は、その思いを満たしてあげればよいのです。
「褒める」「励ます」「注目する」「一緒に喜ぶ」「目を見て話す」「抱きしめる」。
こういった日常の具体的な行動の中で、自己肯定感は育まれていくのです。
自身の子どもには、愛情を注ぐ分、「しつけ」や「勉強」といった様々なことを考えてしまうと思います。
しかし、その順序を逆にしてはいけません。
まずは、自己肯定感の土台を作り、親からの絶対的な安心感を築き上げるのです。
すると、親との信頼関係を築いているが故に、「しつけ」といった生活習慣や対人関係のスキルが入るようになります。
親以外の外の世界との信頼関係を築くことができるのです。
そのように自分の生活周辺に安心感をもった状態だからこそ、意欲や好奇心が生まれてきます。
それが勉強・学力のベースとなっていくのです。
幼児期の家庭教育
自己肯定感を最も集中的に育むのは3歳頃までが妥当とされています。
では、そこからはどのような家庭教育を展開していけばよいのでしょうか。
人間の脳は、5歳までに9割完成すると言われています。
脳は3~4歳頃に大きく成長し、5歳には子どもの脳の体積が大人の脳の体積の約90%まで成長することが、様々な研究で分かっているのです。
そして、この時期に最も成長するのは、脳の内側にある「大脳辺縁系」という部分です。
本能的な欲求・記憶・情操をつかさどります。
だからこそ、幼児期は「やってみたい」「好き」という気持ちを大切にしながら、ものごとに取り組むことが大切になってきます。
「子どもの難関突破経験と子育ての実態に関する調査」というものがあります。
「難関大学」に合格したり、プロスポーツ選手や国際コンクールの入賞者になったりなどの実績を上げた「難関突破経験」と、その幼児教育の相関関係を調べたものです。
難関突破経験者の親が、「とても意識して取り組んでいた」と答えた割合が多かった項目に、「一緒に話す」「一緒に遊ぶ」があげられています。
親と子どもで「一緒に何かをする」ということが、この時期にいかに大切であるかが分かると思います。
つまり、3歳からは、子どもの自然な欲求をベースに、社会性や学力をバランス良く育てていくことが必要なのです。
自己肯定感と学力をバランス良く伸ばすために
とはいえ、教育投資効果が高い幼児期から様々な勉強、習い事をさせたい親御さんの気持ちも分かります。
そこで私共は「飛び級教育システムラボ」という教育事業を行っています。
ここでは、3歳からのお子様を対象に「3学年以上先の学習を進め、中学3年生までに高校の内容を修了する」というカリキュラムで構成された家庭教育教材を扱います。
この方針は、決して「詰め込み教育」とは違います。
実際には、毎日1時間の学習をするだけで、小学6年間で学ぶ内容を850日で終了するように組み立てられています。
超スモールステップの自立学習教材となっているのです。
また、子どもたちが自由闊達に学びを進めることができるように内容を精選し、「教えない」中で自ら学びの楽しさに気付いていくことをコンセプトとしています。
そしてもう一つ。
それは親御さんとお子様で「一緒に」探求する喜びを共有することを大切な柱の一本としているのです。
子育てに関するトピックの中に「甘やかす」と「甘えさせる」の違いがあげられることがあります。
「甘やかす」は親の都合を押し付け、過保護、過干渉に子どもに関わることです。
親のペースが尊重され、子どもの精神的自立を遠ざけるだけでなく、自己肯定感を低下させます。
一方で「甘えさせる」は、できない状態であることをサポートしていくという体勢です。
「相手から求められた愛情に応える」という子どものペースを尊重したかかわり方です。
だからこそ、私共は1日1時間という無理のないカリキュラムで、子どもが自立的に取り組むことができる学習を追求してきました。
「一緒に」取り組み、子どもを見守っていく中で、自己肯定感と学力をバランス良く育むことができるようにするためです。
私共は、このような考えに賛同してくださる親御さんたちと、手を取り合って、共に子どもたちが幸福度の高い満ち足りた人生を歩むことができる道を追求していきたいと考えております。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。