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褒めるだけでは子どもは育たない

ただ褒めるだけでは上手くいかない?

世界各国に対し、日本の子どもたちの自己肯定感が低いという調査結果が国立青少年教育振興機構から公表されて約10年のときが経過しました。

これまでの、「世間体を気にした注意中心」の教育から、「子どもの個性を大切にし、褒めて伸ばす」という教育へ少しずつ日本の家庭教育の在り方が変化しているように感じます。

しかし、一方で危うさも感じています。

子育ては、褒めていれば健やかに育つといった単純なものではなく、むしろ、子どもの反発、無気力感を生み出してしまうものでもあるのです。

子どもの力を最大限に伸ばすことができる褒め方をする家庭と、子どもの本来の力の源を奪ってしまう褒め方をする家庭とでは、子育てに対する考え方が根本的に違います。

では、その違いを生み出している「考え方」とは、どのようなものなのでしょうか。

「褒める」よりも「信じる」

子どもの成長のための栄養素となるような関わりをしている大人。

そのような人々に共通しているのは、「子どもは本来自分一人でものごとを解決していく力をもっている。大人の仕事はその子どもたちのサポーターであることだ。」という考え方です。

だからこそ、「子どもの力を信じている」という信頼が子どもへの働きがけに宿ります。

子どもの力を信じているわけですから、子どもが立ち止まっているときは、選択肢を示したり、励まして心のエネルギーを補給してあげたりする行動をとることになります。

そして、最後は子ども自身にやり遂げさせ、「自分一人でやり遂げることができたね」という自信を育むのです。

幼児期の教育に重視されるモンテッソーリ教育にも、同じ思想が根底にあります。

「子どもは一人で育っていく力をもっているのだから、大人はその環境を整えてあげればよい」という考え方です。

具体的な関わり方

では、「信頼」をベースにしつつ、具体的にどのように関わっていけばよいのでしょうか。

まず大切なのは、結果や能力、見た目に着目するのではなく、プロセスを大切にする関わり方です。

「自分が満足をいく結果を出すことができたのは、あなたが粘り強く自分の頭で考え、あきらめずに、自分を信じ続けたからだね。」

「自分の望む結果は出せなかったかもしれないけれど、自分で目標を立てて、自分でやりたいことを選んで挑戦し続けたあなたを誇りに思うよ。」

そのような、結果の可否にとらわれない声掛けです。

このような声掛けや働きがけを常日頃からしていれば、「どのような課題であっても、自分で決めて努力してきたことは無駄にはならない」と子どもは思うようになるでしょう。

実際に結果が目標に届かなかったとしても、そのプロセスを通して付けた力は確実にあります。

また、子どもの取り組みに対してフィードバックを与える関わり方も大切です。

思うような結果が出なかったことに対する寄り添い、家庭の承認をした上で、「もし、今回納得いかなかったとしたら、次はどうしたらよいと思う?」と問うのです。

このように子ども自身に考えさせ、問題解決を図らせることも、子どもの力を育むことになります。

発達段階によっては、大人が助言をすることが適切である場合もあります。

そのようなときも「~であるところはとてもよかったね。次は~なところに気を付けるともっと上手にできるよ。」と具体的な策を提示してフィードバックをすることも、子どもの力になっていくのです。

また、質問をするという行為も効果的です。

「~ができたんだ!どうやったらできたの?教えて!」と声を掛ければ、子どもは得意げに自分が考えたり、取り組んだりしたプロセスを語ってくれるでしょう。

その上で、「そっか~、そうやって自分で工夫をする力があるから、あなたはどんどん成長しているんだね。」と声を掛ければ、さらに本人の自信につながります。

上記のような子どもの結果、能力、見た目に左右されない子育てを、モンテッソーリ教育とレッジョ・エミリア教育の双方を研究している島村華子氏は「無条件子育て」と名付けました。

これこそが、子どもの自立解決力を真に育む関わり方なのです。

子どもの力を減退させる関わり方

「無条件子育て」と対局を為すのが「条件付き子育て」です。

これは、一定の条件下でのみ子どもを褒めるという、子どもの力を奪うことになりかねない関わり方です。

例えば、結果や能力、見た目を中心とした働きがけを続けるとどのようなことが起こり得るでしょうか。

テストが100点であったときのみ褒めるという行為を続けると、テストで点数を取れなかった自分は価値のない存在ということを暗に伝えていることになります。

見た目を褒め過ぎても同じようなことが起こり得ます。

見た目が美しくない自分は価値がない存在。

痩せていない私は価値がない存在。

そのようなメッセージを送っていることにもなりかねないのです。

ただでさえ、SNSの普及で、見た目や能力がもてはやされる時代になっています。

「能力や見た目に関わらず、あなたは存在価値があるのだ」というメッセージを家庭でしっかりと送り続けなければ、簡単に、表面的な外からの評価に流されてしまう子どもに育ってしまう恐れがあります。

また、何でもかんでも褒めたり、本人の努力の有無に関わらず「あなたはよくやっている」と声を掛ける「おざなり褒め」では、いずれ子どもの意欲が減退します。

本人が頑張ろうと、そうではなかろうと、同じように褒められるのであれば、いずれ頑張ることを止め、自分の頭で考えることをストップしてしまいます。

さらに、外部からの評価がなければ動けないという「褒められ依存症」といった症状になる場合もあるのです。

他にも、家庭以外では、周囲からの評価が下がることを恐がって、挑戦することを躊躇する子どもになってしまいかねません。

このような「子どもの真の自立」をゴールとしていない声掛けは、本人に悪影響を与えてしまう可能性が大いにあります。

さらに悪いことに、子どもの年齢が上がっていくにつれて、親子の関係は悪化していき、その子どもが大人になったときも、自分の子どもに同じことを繰り返してしまう可能性が高まるのです。

寄り添い、教えずに待つことが自立を信じるということ

だからこそ、私たち「飛び級教育システムラボ」では、「絶対に教えずに、待つ」「寄り添う」「自立を信じる」という思想をベースにした教育システムを構築しているのです。

全ては、「子ども自身の中には、既に問題解決能力はもともと備わっている」という信頼がそこには宿っています。

塾といった外部に子どもを委託する形ではなく、家庭で、親子で、取り組んでいくことを重視していることも、上記のようなことに帰結しています。

子どもが本来求めているのは、「評価ではなく、何かを達成、発見すること」、そして「大好きな両親や先生とそれを共有すること」なのです。

家庭こそ、全ての教育の根幹なのです。

そうやって、子どもの存在をいつもそのまま受け止めてもらうために、笑顔で見守っていただきたいのです。

子どもへの適切な関わり方、子どもを伸ばす働きかけを、研究し続けている我々が保護者様のサポーターとして、二人三脚で歩ませていただきます。

子育てというのは、大変複雑で、困難がありながらも、大きな喜びが待ち受けているすばらしい営みです。

人は一人では歩んでいくことはできない。

だからこそ、我々は保護者の皆様と手を取り合って、支え合って、共にお子様の人生を豊かにする教育を実現していきたいと考えております。

最後まで読んでくださりありがとうございました。