リーダーシップがより求められる社会へ
2023年に、チャットGPTの存在が世間に大きく知れ渡りました。
それと同時に、現段階でAIができる仕事のクオリティがあまりに高いことに、世界は衝撃を受けたといってもよいと思います。
2023年ですら、この完成度です。
今から10年後、20年後には、このような技術を駆使することが当たり前となり、誰もができる簡単な仕事は、本格的にAIに任せるという未来がやってくるでしょう。
では、現在18歳未満の子どもたちは、どのような仕事を行っていくのでしょうか。
その1つが、人間関係のマネジメントです。
そして、マネジメントを行うには、リーダーとしての力が必要になります。
10年先、20年先には、日本人だけでなく、外国の就労者ともチームを作っていく力がより必要になるかもしれません。
この記事では、「リーダーの資質とは何なのか」ということ、そして、「その資質を育むためにできること」を記していきます。
PM理論
リーダーシップには、様々な形があります。
人をやる気にさせるリーダー。
誰かに寄り添うことが得意なリーダーなど、多種多様です。
そのような数多くの種類があるように見えるリーダーシップも、PM理論という視点で見れば、「どのような環境でもリーダーシップを発揮できる資質」がある程度整理できます。
PM理論とは、日本の社会学者、三隅二不二(みすみしゅうじ)氏によって提唱された行動理論です。
「P」はPerformance(パフォーマンス)の略で、「目標達成機能」を示します。
「M」はMaintenance(メンテナンス)の略で、「集団維持機能」を指しています。
「目標達成機能」の具体的な行動をあげると、「計画を立てる」「指示をする」「規則を定める」そして時には、「解雇をする」といったことがあげられます。
つまり集団の向かう先を示し、引っ張り、鼓舞し、目標を達成させるのです。
決断力、冷静さ、分析力、計画性などの資質が求められます。
父性と置き換えてみてもよいでしょう。
対して、「集団維持機能」の具体的な行動は、「悩みを聞く」「一人一人を尊重する」「傾聴する」「共感する」「感謝や労いの言葉を掛ける」等があげられます。
これは、人を思いやる気持ちや集団全体を見て、一人一人の感情の機微に気付く力、献身性などの資質が求められます。
集団や組織に安心感と温かみを与えるお母さんのような存在、つまり母性と置き換えることができます。
4つのリーダーのタイプ
この2つの性質を組み合わせると、リーダーの力を4つに区分することができます。
「pm型」「Pm型」「pM型」「PM型」の4つです。
「pm型」は目標達成機能も、集団維持機能も弱いリーダーです。
これでは、集団を動かすことはできませんし、その集団にいるメンバーの心の満足度が非常に低い状態となります。
次は、目標達成機能は強いのですが、集団維持機能は弱いリーダーです。(Pm型)
つまり組織やチームの成果を出させるためのリーダーシップを取ることは得意ですが、組織やチーム内の人間関係をケアすることは苦手なタイプになります。
このような会社やチームは、成長はしますし、成果が上がるので存続はするのですが、集団内はギスギスした状態となり、愚痴や不満や足の引っ張り合いなどが起きてしまいがちです。
成果が出ても精神的にはよくないので、辞めていく人も発生します。
その対極が「pM型」のリーダーです。
組織やチーム内の仲は悪くないのですが、成果や成長を実現することができません。
部活などのチームなら瓦解することはないかもしれませんが、会社であれば、売り上げが上がらなくては倒産してしまいます。
だからこそ、目標達成機能も、集団維持機能も、両方兼ね備えている「PM型」のリーダーシップを育む必要があります。
成果を生み出すことができ、且つ、仲間たちはその集団に所属していることに満足しているという理想的な状況です。
実際には、そこまで完璧になる必要はありませんし、「P」の強い人、「M」の強い人などで役割を補い合うことができます。
しかし、「PM型」の状態にできるだけ近づけていくことは、将来、周囲も自分も幸せにしていくはずです。
では、この両者の力をどのようにして育てていけばよいのでしょうか。
「P」も「M」も育てるために
目標達成機能の力を育んでいくためには、「自ら考え、行動し、その結果を分析し、改善する」というトレーニングを幼少期から積むことが大切です。
親が先回りして安易に答えを教えない。
疑問に思ったことは自分で調べることができるように寄り添う。
家庭内での会話を増やし、「あなたはどう思う?」と様々な問いを投げかけてみる、などなどです。
「欲しいものがあったとき」や「やりたいことをお願いするとき」も、なぜそれが必要なのか、どのような思いがあるのか、自分の人生を豊かにするためにどう役立つのかを子ども自身に説明させ、親を説得させるような家庭内ルールにしておくことも、非常に効果があります。
思考力が上がれば、人の気持ちを想像することもできるようになります。
すると困っている人が欲しているものを見抜く目が養われていくでしょう。
その上で、親が子どもを信じ、温かく見守り、愛情を注ぎ続ける。
そして、親が実際に人助けをしている姿を見せる。
そのような環境であれば、子どもは人を思いやる行動を自然に真似て、行動するようになります。
その過程の中で、集団維持機能の力も磨かれていくのです。
人間が本来もつ力を十二分に生かすには
私たち、飛び級教育システムラボは、「予測不可能な未来社会を背負っていくグローバルリーダー教育を支援していきたい」という思いの元、立ち上げた事業です。
時代によって理想的なリーダー像に変化はあれども、古今東西、どの国のリーダーシップにも通じる原則は共通です。
時代の先を見据え、世に必要とされる仕事を創造し、成果をあげていく力も必要。
周囲の人々に幸せの輪を広げていくための、人間理解とその思いを感じ取り共有していく力も必要なのです。
現在の日本の公立学校の教育は、どうしても教え込む要素が強くなってしまいがちです。
限られた時間で規定のカリキュラムをこなさなければならないため、子どもたちに自由に創造させ、思考力を鍛える余地がほとんど残されていないのが現状なのです。
だからこそ、私共の教材は、子どもの思考力を育むことに主眼を置いています。
「子どもに教えない」という厳しくも温かい方針が、子どもの真の思考力を育てていくことを理解しているからです。
この思考力を養うのは、リーダーシップで言えば、目標達成機能につながります。
そして、集団維持機能のような人間関係の調整力もリーダーシップには必要だからこそ、親御様がお子様に寄り添う「家庭教育」の形をとっています。
人間というものは、不思議とよくできているもので、母親と父親の両方の性質を受け継いで、この世に生を受けます。
そして、その「父性」と「母性」の両方をバランスよくもっている人こそが、人間が本来もつ力を十二分に発揮できるようになっているのです。
私共は、お子様の「思考力」という父性を伸ばします。
そして親御様が家庭教育の中で寄り添うという形で、母性を貸していただきたいのです。
お子様が本来もっている才能、潜在能力を発見していく過程に携わらせていただけるのならば、これ以上の喜びはありません。
我々と手を取り合って、共に歩むことをお考えの親御様、お子様をいつでもお待ちしています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。