勉強は面白くない?
宿題をやるように促す。
時には叱る。
自宅で勉強しないが故に塾に強制的に行かせる。
このような勉強を強要する風潮が、一定の大人に見られることがあります。
読者の皆さんの中にも、「自ら机に向かって勉強していた」というよりは、「親や教師に促されて勉強していた」という人が多いのではないでしょうか。
その原因は、「勉強は面白くないが、やらなくてはいけないものだ」と思っているからではないかと思います。
果たして、本当にそうでしょうか。
本当に「勉強は面白くない」のでしょうか。
この記事では、知的好奇心を育む方法をお伝えできればと思います。
人間は怠けものか
人間の知的好奇心を調査するために、ある実験が行われたことがあります。
その内容は、「通常の2倍以上の報酬をアルバイトに払い、実験室内で、ひたすら怠ける生活を送る」というものです。
「何もしない」だけで通常より高い報酬を得ることができるのですから、誰もがその仕事を望むでしょう。
では、実験の結果はどうだったのか。
それは、最高で2~3日しか耐えることができず、多くの実験者は、1日中何もすることがない場所を、耐えがたい苦痛の場と捉えたのです。
また、生後7か月~30か月の子どもを、孤児院と施設に分けて発達を比べた実験もあります。
施設は、適度な玩具や、適度な雑音、人との関わりがある環境。
対して、孤児院は、壁やカーテン、シーツなどは真っ白で、音もほとんどない環境です。
果たしてどちらの方が子どもの知能が発達したのでしょうか。
それは、圧倒的に施設の方です。
施設で育った子どもは、13名中9名の知能指数が20以上上昇。
一方、孤児院の子どもは31名中12名の知能指数が下がっていたのです。
この2つの実験から言えることは、「情報」は人間が生きていく上で不可欠なものであり、刺激が少なすぎると、無気力や無感動になっていくということ。
つまり、好奇心が満たされる環境にいなければ、人間は精神を一定に保つこともできないのです。
学校の問題点
では、なぜ情報が与えられている環境であるにも関わらず、学校教育の中で「勉強を嫌がる子ども」が発生してしまうのでしょうか。
多くの小学校から寄せられる情報としては、「1年生はみんな勉強へのやる気に満ち溢れている」そうです。
授業中も自分が分かる問題であれば、積極的に手を挙げる。
指名されなかった場合は、「なんで当ててくれないの?」と不満を口にするほど。
それが、学年を重ねるにつれて、徐々に学習への意欲を失っていく傾向が非常に多く見られます。
その原因は何なのでしょうか。
学校が子どもの好奇心を失わせてしまう原因は、画一的な集団教育にあると考えられます。
公立の小学校で行われる教育は、能力別ではなく学年で分けられています。
ということは、学年が上がっていくにつれて、周囲との能力の差が浮き彫りになるということです。
それ自体は問題はないのですが、そのことにより何らかのマイナスのフィードバックを与えられたのであれば意欲がそがれていきます。
自分に合ったレベルの問題を設定することができず、強制的に押し付けられた学習内容を与えられる。
文部科学省が定める学習指導要領がある以上、それは仕方がないこと。
結果として、周囲と比べられながら、できない自分を自覚し、嫌々勉強を行うという構図が出来上がっていきます。
家庭学習で力を付けていく子どもたち
現在、世界各国で新しい教育の形として注目されているのがホームスクーラーです。
これは、家庭で学習カリキュラムを組み、教育機関に提出することで、子どもが選んだ教育を家庭で行われるシステムです。
無料の動画教材など、世界の中でも優秀な教授や教師が発信する情報を取得できるようになったことで、そのような教育の在り方が普及していっているのです。
では、ホームスクールによる「学力の低下」は発生するのでしょうか。
アメリカで、2万人以上のホームスクーラーからデータを取得した全国学力テストの平均点が、全国平均を50%のスコアとすると、76~84%という高い数値を出したという調査結果があります。
平均的には、全国平均の1.5倍です。
他にもホームスクーラーに関して、様々な調査データもあります。
ホームスクーラー経験者の方が、うつ病や不安にかられる割合が、普通の生徒に比べて少なかったこと。
社会性・コミュニケーション能力テストの結果が、普通の生徒が23%に対し、ホームスクーラーは84%であったこと。
そして、ホームスクーラー経験者の70%以上が、大人になってからも地域に何かしらの社会貢献を行っていたことが分かっているのです。
つまり、現状の公教育では、1つの場所に閉じ込めて強制的に学習させるような環境になっているが故に、子どもたちの無気力感が助長される傾向にあり、家庭で自分の好奇心の赴くままに学習をする環境であるならば、子どもの学力も、社会性も向上するということなのです。
知的好奇心が発動する条件
それでは、知的好奇心が発動する条件は何でしょうか。
その秘密は「遊び」に込められています。
子どもは放っておいても、遊びの中に工夫を見出していきます。
趣味も同じ。
スポーツ、芸事、読書などに熱中する人がいるのは、その中で上達を感じることができ、知的好奇心を満たすことができる遊びの要素を感じることができるからなのです。
加えて思考をしたり、創意工夫をしたりすることができることも、探究心や向上心をくすぐられる1つの要因だと考えられます。
ということは、これらの要素を学習に生かすことができれば、子どもが自ら生き生きと学ぶことができるようになるはずなのです。
知的好奇心を発揮できるプログラム
私たち飛び級教育システムラボの設計しているカリキュラムは、スーパースモールステップという点を徹底的に考えて教材を作成しています。
なぜなら、子どもの能力に合わせて教材を選定し、1つ1つ確実に上達をさせていくことで、勉強を楽しいと思うことができるようにしているからです。
この「上達」を感じることが知的好奇心を発揮するための重要であることは先に述べたと思います。
また、自ら思考する力を育成するための教材構成にもなっています。
単調に知識を吸収していくのではなく、自らの頭で思考することによって、人間の知的好奇心は満たされていく。
そのようにして、次、また次と更なる探究心を芽生えさえ、子どもたちの「学ぶは楽しい」の心を育もうと考えているのです。
現代はAIが台頭し、数年後には、AIを使って仕事をすることが当たり前になる未来が近づいてきています。
諸外国も、今までの知識を問う教育を脱却し、入試といったプログラムそのものを見直し、既に他のシステムへの移行を実行している際中です。
少子高齢化によって子どもたちの存在が貴重になればなるほど、大学の入試というシステムそのものが意味をなさなくなります。
そのような未来は後5年~10年すれば訪れることになるでしょう。
そんな時代に必要とされる人材は、指示されたことを忠実にこなすことができる人ではなく、自ら探究し、自ら思考し、新たなものを創造できる人材です。
先行きが見えない未来だからこそ、自らの足で立ち、自らの頭で考える人間になってほしい。
そのような親御様のお考えを、我々は精一杯サポートさせていただきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。